理論段数
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理論段数(りろんだんすう、英語 : number of theoretical plates)とは、固定相と移動相の2相間での物質の分配比の差を利用して物質の分離を行う装置の性能を表す指標である。その装置と同じ分離の程度を達成するために、その装置と運転条件が同じ理想的なバッチ式の分離装置を何段重ねる必要があるかで表す。ここで理想的とは 2相の物質の分配が平衡にあり、各段の間の物質移動が定常状態にあることを意味する。
蒸留塔を例に挙げる。ある指定された運転条件(温度、圧力など)で気液の組成が平衡にある単式蒸留器を考える。n 番目の蒸留器の気相は一部が n + 1 番目の蒸留器に送り込まれ、n 番目の蒸留器の液相は n − 1 番目の蒸留器に送り込まれる。1番目の蒸留器の液相からは一部が高沸点部として、最後の m 番目の蒸留器の気相からは一部が低沸点部として取り出されている。各蒸留器間の物質移動は定常状態になっており、それぞれの蒸留器で送り込まれる物質の量と取り出される物質の量は等しい状態になっている。このような理想的な m 個の単式蒸留器の組から理論的に予想される高沸点部と低沸点部の組成と、ある蒸留塔で実際に得られた高沸点部、低沸点部の組成が等しいとき、この蒸留塔の理論段数は m 段となる。
理論段数が大きい装置、運転条件ほど分離の性能は高い。理論段数は同じ装置であっても運転条件や分離しようとする物質によって変化する値である。
蒸留塔では理論段数を高めるために気液の接触面積を増やす工夫がなされている。例えば液体を泡立たせて表面積を広げる泡鐘塔や各種の充填物を使用した充填塔がある。
ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーは数千から数万段におよぶ理論段数を有し高い分離性能を持っている。
関連項目
理論段数
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「ファン・デームテルの式」の記事における「理論段数」の解説
理論段高は以下の式で与えられる。 H = L N {\displaystyle H={\frac {L}{N}}\,} 上式において、 L {\displaystyle L\,} はカラム長、 N {\displaystyle N\,} は理論段数である。理論段数は個々の成分の保持時間 t R {\displaystyle t_{R}\,} とそれらのピーク幅の指標としての標準偏差 σ {\displaystyle \sigma \,} (ただし溶出曲線がガウス曲線を表わすという条件で)の分析によってクロマトグラムから見積ることができる。 この場合、理論段数は以下の式で与えられる。 N = ( t R σ ) 2 {\displaystyle N=\left({\frac {t_{R}}{\sigma }}\right)^{2}\,} より実際的な半値全幅 W 1 / 2 {\displaystyle W_{1/2}\,} を使うことによって、この式は N = 8 ln ( 2 ) ⋅ ( t R W 1 / 2 ) 2 {\displaystyle N=8\ln(2)\cdot \left({\frac {t_{R}}{W_{1/2}}}\right)^{2}\,} あるいはピークの底の幅を用いて N = 16 ⋅ ( t R W b a s e ) 2 {\displaystyle N=16\cdot \left({\frac {t_{R}}{W_{base}}}\right)^{2}\,} となる。
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