狭義の冬虫夏草の分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 05:35 UTC 版)
中国では、チベットなどが原産のオオコウモリガの幼虫に寄生する天然のOphiocordyceps sinensisのみを「冬虫夏草」と呼び、その他の虫に寄生するキノコ類を「虫草(ちゅうそう)」と称する用法が行われている。 チベット高原やヒマラヤ地方の海抜3000メートルから4000メートルの高山地帯で、草原の地中にトンネルを掘って暮らす大型のコウモリガ科の蛾であるHepialus armoricanus Oberthur(中国語: 蝙蝠蛾)の幼虫に寄生する。チベット、青海省、四川省を中心に、雲南省、甘粛省、貴州省などでよく見られ、夏に採取されている。 この種の蛾は夏に地面に産卵し、約1か月で孵化して、土にもぐりこむが、このときに冬虫夏草属の真菌に感染すると、幼虫の体内で菌がゆっくり生長する。幼虫は約4年で成虫となるが、幼虫の中で徐々に増えた菌は、春になると幼虫の養分を利用して菌糸が成長を始め、夏に地面から生える。地中部は幼虫の外観を保っており「冬虫夏草」の姿となる。
※この「狭義の冬虫夏草の分布」の解説は、「冬虫夏草」の解説の一部です。
「狭義の冬虫夏草の分布」を含む「冬虫夏草」の記事については、「冬虫夏草」の概要を参照ください。
- 狭義の冬虫夏草の分布のページへのリンク