独占資本の時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 06:44 UTC 版)
急成長をとげたアメリカ資本主義は、1880年代に独占資本の形成が進み、工業生産は1894年には世界一となるまでに発展した。その裏では、各種の企業合同、特にトラストが成立し、大資本家が政府と結び、汚職や政治への介入が続くなど独占資本の弊害があらわになってきた。1882年にスタンダード石油トラストを形成し、巨大な利益を消費者に還元せず高価格で販売し続けたロックフェラーのスタンダード・オイルのビジネス手法は広く厳しく批評された。当時の風刺画には、腹に「鉄鋼トラスト」「銅トラスト」「石油トラスト」「砂糖トラスト」と書かれた金満家の巨体がならぶ傍聴席の横で小さくなった議員たちを描いた絵、「自由の女神像」の姿をして、右手に地球、左手に石油ランプをかかげて「独占」の樽の上にまたがったロックフェラーの絵などがある。当時大資本家は、泥棒男爵(Robber baron)という言葉で表現された。急激な工業化は、企業合同や資本の集中によってもたらされたものであった。
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