特発性ビタミンE欠乏症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 02:57 UTC 版)
「ビタミンE」の記事における「特発性ビタミンE欠乏症」の解説
ビタミンE欠乏症は原因に関わらず臨床症状は比較的一定である。神経症状ではフリードライヒ失調症とほとんど区別がつかないが一部の例で網膜色素変性症を伴う点が異なっている。基本的な神経症状は下肢に高度で顕著な深部感覚障害、後索性運動失調、構音障害と四肢腱反射消失である。深部感覚障害は重度で、振動覚は消失し、四肢関節位置覚障害も高度である。一部の患者では網膜色素変性症や側彎症、凹足、バビンスキー徴候、振戦を認める。知能障害、眼振、線維束性攣縮、自律神経症状は認めない。頭部のMRIでは小脳や脳幹の萎縮や異常信号域は認められない。脊髄MRIでは脊髄に異常が認められることがある。電気生理学的所見では正中神経のSEPではN13と皮質電位の消失を認めるが末梢神経の電位は認められる。治療法は吸収不良を伴う場合はビタミンEの筋肉注射であり、吸収不良ではない場合は経口大量投与で神経症状の軽度の改善や進行の停止が期待できる。
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