物価スライド制(ぶっかすらいどせい)
物価が上昇すると、年金生活者の場合、年金額が相対的に目減りする。インフレによって受給額の実質価値が少なくなると、年金生活者の生活が不安定になりかねない。
インフレ対策として、日本は物価スライド制という年金制度をとっている。毎年の物価上昇に応じて、年金支給額を自動的に引き上げるというものだ。具体的には、全国消費者物価指数に合せて、次の年度には、自動的にその分だけ年金額を増やする。これによって年金生活者の生活水準を保ちる。
ただし、物価がデフレで消費者物価が下落することがある。この場合も、本来ならば物価スライド制により自動的に年金支払額を減額しなければならない。システム自体では、インフレ・デフレにかかわらず、年金額がスライドする。デフレ時には、年金額は「減額修正」されなければならない。しかし、これでは年金生活者の生活が苦しくなるおそれが生じる。そこで、デフレ時には特例法により、年金額を「据え置く」ことがある。この際には、一括して特例法案を国会に提出して、物価スライドを一時停止させる。
過去には、1995年にマイナス0.1%、1999年がマイナス0.3%というデフレが生じたことがある。この2つの例では、特例措置として法律を成立させ、減額修正を一時停止させた。
(2000.12.19更新)
物価スライド
(物価スライド制 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/09 05:34 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動物価スライド(ぶっかスライド)とは、物価の変動に応じて、金銭の支給・供給額を上下させる仕組み。
公的年金への適用
日本の公的年金では、給付金額の実質価値を維持するため物価スライド制を導入しており、物価の変動に応じて年金額を改定する、またはスライドさせている。
物価スライドの制度は、前年(1~12月)の消費者物価指数の変動に応じ、翌年4月から自動的に年金額が改定される制度であり、私的年金にはない公的年金の制度である。
年金のスライド方式には「マクロ経済スライド」、「物価スライド」、「賃金スライド」の3通りの考え方がある。
凍結
なお、2005年(平成17年)4月以降は、財政均衡期間にわたり年金財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合に、給付金額の水準を自動的に調整する仕組みであるマクロスライド制が導入された。
2011年11月には政府の「提言型政策仕分け」において、2000年 - 2002年の間に見送られていた物価スライド分を2012年度分から適用し、事実上の給付金減額を行うことが決定的となった[1]。
外部リンク
「物価スライド制」の例文・使い方・用例・文例
物価スライド制と同じ種類の言葉
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