爆発音の理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 09:04 UTC 版)
現代の銃で弾丸を発射するには、まず、銃身(バレル)の根元の薬室(チェンバー)と呼ばれる部分に、弾薬(カートリッジ)を装填し、遊底(ボルト)と呼ばれる部品で蓋をする。だいたいの場合、遊底には穴が開いており、撃針(ファイアリングピン)という針のような部品が通っている。次に、撃鉄(ハンマー)と呼ばれる部品を起こす。撃鉄は、ばねによって常に撃針に向かって倒れようとしているが、撃鉄を完全に起こすと、シアという部品によって倒れないように保持される。銃の引き金(トリガー)を引くと、シアを動かして撃鉄を開放し、撃鉄がばねの力で撃針を打つ。撃針は、弾薬の底部の雷管を打って発火させ、これをきっかけに火薬(発射薬/ガンパウダー)が燃焼して、高温高圧の燃焼ガスが発生する。 発生した高圧のガスは急激に膨張して、カートリッジ先端の弾丸を銃口(マズル)から高速で押し出すと同時に、外部に放出される。このときに、非常に大きな破裂音が発生する。ほかにも、たとえばリボルバー形式の銃の場合は、薬室と銃身の間に「シリンダーギャップ」と呼ばれる隙間があり、ここからも高圧のガスが噴出する。自動火器の場合は、弾丸の発射後、自動的に遊底が解放され、薬室から薬莢(ケース)が抜き出され、排莢口(エジェクションポート)から排出されるが、このときにも圧力の低下したガスの一部が放出される。 このように、火薬の燃焼によって発生した高圧のガスが、ほとんどは銃口から、一部はそのほかの場所から放出されることによって、破裂音が発生するのである。 一方、銃口から押し出された弾丸は、目標(あるいはそれ以外)に向かって飛行する。弾丸の速度が音速を超えていると、衝撃波が発生し、これが原因となって非常に大きな音が発生する。これも「銃声」の一部となっている。 サプレッサーは、火薬の破裂音を抑制するためのものであり、衝撃波による破裂音は抑制できない。そのため、サプレッサーに対応した亜音速弾を使用することがある。
※この「爆発音の理由」の解説は、「銃声」の解説の一部です。
「爆発音の理由」を含む「銃声」の記事については、「銃声」の概要を参照ください。
- 爆発音の理由のページへのリンク