無水硫酸ナトリウムとは? わかりやすく解説

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硫酸ナトリウム

(無水硫酸ナトリウム から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/19 13:13 UTC 版)

硫酸ナトリウム
識別情報
CAS登録番号 7757-82-6 , 7727-73-3 (十水和物) 
PubChem 24436
ChemSpider 22844 
UNII 36KCS0R750 , 0YPR65R21J 十水和物 
E番号 E514(i) (pH調整剤、固化防止剤)
ChEBI
ChEMBL CHEMBL233406 
RTECS番号 WE1650000
特性
化学式 Na2SO4
モル質量 142.04 g/mol (無水物)
322.20 g/mol (十水和物)
外観 白色の結晶性固体
吸湿性
匂い 無臭
密度 2.664 g/cm3 (無水物)
1.464 g/cm3 (十水和物)
融点

884 °C(無水物)
32.38 °C (十水和物)

沸点

1429 °C(無水物)

への溶解度 無水物:
4.76 g/100 mL (0 °C)
28.1 g/100 mL (25 °C)[1]
42.7 g/100 mL (100 °C)
七水和物:
19.5 g/100 mL (0 °C)
44 g/100 mL (20 °C)
溶解度 エタノールに不溶
グリセリン、水、ヨウ化水素に溶ける
磁化率 −52.0·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.468 (無水物)
1.394 (十水和物)
構造
結晶構造 直方晶系 (無水物)[2]
単斜晶系 (十水和物)
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0952
主な危険性 刺激性
NFPA 704
0
1
0
引火点 不燃性
関連する物質
その他の陰イオン セレン酸ナトリウム
テルル酸ナトリウム
その他の陽イオン 硫酸リチウム
硫酸カリウム
硫酸ルビジウム
硫酸セシウム
関連物質 硫酸水素ナトリウム
亜硫酸ナトリウム
過硫酸ナトリウム
二硫酸ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硫酸ナトリウム(りゅうさんナトリウム、sodium sulfate)とは、化学式 Na2SO4 で表される、硫酸ナトリウムとのである。なお、硫酸ナトリウム十水和物は芒硝(ぼうしょう)などとも呼ばれ、生薬の1種として扱われる事もある。また、これが主要な成分として溶解している温泉を、かつて日本では硫酸塩泉の1種の芒硝泉と呼んでいた。

性質

水への溶解度と、水温との関係。紺色(Na2SO4)が硫酸ナトリウムの溶解度である。32.38 ℃を境に折れ曲がっている。

常圧における無水硫酸ナトリウムの融点は884 ℃であり、常温においては無色で、比重2.698の固体として存在する。無水硫酸ナトリウムはに可溶で[3]、水溶液は中性を示す[3]

硫酸ナトリウムの飽和水溶液から常温で結晶化すると、硫酸ナトリウム十水和物が得られる。乾燥の操作を行わなければ、この状態で存在することが多い。十水和物は芒硝(ぼうしょう)[4]グラウバー塩[5]ミラビライト英語版ロシア語版[6]と呼ばれ、十水和物の比重は1.464で、常温常圧では無色の固体として存在し、水に可溶である。転移温度の 32.38 ℃で水和水が結晶水になる。水和物を乾燥した空気中に放置すると風解するが[7]、無水物を湿った空気中に放置すると水和物となる[3]

硫酸ナトリウムは、水への溶解度の温度依存性が特徴的で、十水和物と無水物とで、その挙動が異なる。十水和物 (Na2SO4•10H2O) は水温の上昇に伴って溶解度が増加する。しかし、無水物 (Na2SO4) の溶解度は水温の上昇に伴って、逆に溶解度が減少する場合がある。実際、硫酸ナトリウムの溶解度は32.38 ℃までは上がり続けるのに対し、さらに高温にすると少しずつ低下してゆく。これは低温域では十水和物が析出するのに対し、高温域では無水物が析出するからである。

製法

塩化ナトリウム濃硫酸を加熱すると、硫酸ナトリウム無水物が得られる。





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