無権代理人の責任の要件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/25 19:27 UTC 版)
他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う(117条1項)。2017年の改正民法で自己の代理権を証明等を例外として定める形に変更し、判例実務に従い自己の代理権の根拠等の主張立証責任が無権代理人にあることが明確化された(2020年4月1日施行)。 ただし、次に掲げる場合には無権代理人の責任を追及できない(117条2項)。 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、無権代理人の責任を追及できる。 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。 2017年の改正民法で117条2項の例外規定も整理された(2020年4月1日施行)。117条2項の各号の事情についても無権代理人に主張立証責任がある。 なお、無権代理人の責任を追及する場合、前節のとおり、相手方は取消権を行使していないことを要する。
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