点群の既約表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/24 01:21 UTC 版)
詳細は「群の表現」および「大直交性定理」を参照 点群の対称操作の間の掛算関係に対応した関係をもつ行列を、その点群の表現行列といい、これらの対称操作に対応する一組の行列を、その点群の表現と呼ぶ。対称性という抽象的なものの集まりである点群は一見すると捉えどころがないように見えるので、それを目に見える具体的な形にする手段が「表現」である。一般にある1つの点群について、いくつもの表現が可能である。表現行列の性質は、その指標(トレース)によって特徴づけられる。指標をまとめて表にしたものを指標表と呼ぶ。 ある表現がより簡単な表現に分解することができる場合、その表現を可約表現と呼ぶ。これ以上は分解できない表現を既約表現と呼ぶ。可約表現から既約表現への直和分解(簡約)は、適当な相似変換によって行うことができる。なお相似変換をしても指標は変化しない。 考えている系がある対称性をもつ場合、その系の様々な特性は、最も基本的なものを合わせることで構成されていると考えられる。点群という数学的手法で対称性を取り扱うことで、その対称性における最も基本的なもの(既約表現)は何かを知ることができる。
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