湖沼学上の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 14:06 UTC 版)
湖沼学では湖沼を湖(深い水底を持ち少なくとも中央部に水生植物が生えないもの)、沼(浅い水底でその全面で水生植物(沈水植物)の生育が可能なもの)、沼沢(ごく浅い水底で抽水植物が全面に繁茂するもの)に分ける。また、池は人造の静水域のことをいう。 ただし、歴史的には様々な分類が行われており諸説存在する。 スイスの陸水学者フランソワ・フォーレルの説では、中央部において沿岸植物の侵入を受けない深さをもつものを湖とし、水底の植物がいたるところで繁茂するものを沼とした。 アメリカの動物学者ポール・ウェルチの説では、波をかぶる不毛の岸をもつものを湖とし、湖が小さく浅く変化したものや人工的なものなどを池とした。 A. J. ホーンとC. R. ゴールドマンの説では、主として風によって混合されるものを湖とし、主として対流によって混合されるものを池とする分類方法を提唱している。 1876年(明治9年)の『地所名称区別細目』においては陸地の一か所に水が滞留したもので天然の広くて深いものが湖、浅くて底が泥質のものが沼、平地を掘りまたは谷を堰き止めて人工的に造られたものが池とされている。日本の淡水生態学の開祖とも言える上野益三は小型で浅く全水面に沿岸植物が広がっているものを沼とし、人工施設によって全貯水量を管理できるものを池とした。
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