涙の流れる仕組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 07:52 UTC 版)
涙には基本的な涙、反射的な涙、感情の涙の3つの種類がある。 基本的な涙は毎分約1-2マイクロリットルの速度で生成され、眼の潤いを保ち、角膜の凹凸を滑らかにするために作られる。反射的な涙は、タマネギを切るときや目を突かれたときなど、目に刺激を与えた場合の反応として起こる涙である。 感情の涙は涙器系で生成され、感情の状態に従って涙が放出される。 涙腺(鼻涙管)と脳の感情に関わる領域とはニューロンで結合されている。ユダヤ人に多くみられる遺伝性の神経疾患である家族性自律神経失調症は、特徴的な症状として感情的な涙が生成されないことが挙げられる。 涙器系は、涙を生成する分泌系と、涙を排出する排泄系とで構成されている。涙腺は主として、感情的または反射的な涙を生成する役割を果たす。涙がつくられると、一部は瞬きの間に蒸発し、残りは涙点を通って排出される。 涙点を通って流出した涙液は、最終的には鼻から排出される。 涙点に入らなかった余分な涙液はまぶたの上に落ち、泣くことで涙として流れ落ちる。 感情的要因から泣くときに分泌される涙は、他の種類の涙とは化学的組成を異にする。この涙には、プロラクチン・副腎皮質刺激ホルモン・ロイシン-エンケファリン、さらにカリウムとマグネシウム成分がはるかに多量に含まれている。
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