流痕の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 06:55 UTC 版)
砂岩層の底にトレースされた凹凸を逆に考え、泥の層につけられた痕跡として解析する。ここでいう流痕は流れに関係してできた小さなマーキングの総称を指す。マークはキャスト(カスト、cast)とも称呼する。 フルートマーク(英: flute mark) 水流が泥の層を削るときにできるくぼみ(渦をまきながら削られる)がトレースされたもの。長円、楕円形の凸状が形成。流れの方向(堆積物の供給方向)が特定される。 クレッセントマーク(英: crescent mark) 水底の粒子(礫であることが多い)付近を流れる水流が粒子の側方を流れる際に、粒子の上流側と側方およびその延長上の泥の層を削り込んで形成された三日月型のくぼみがトレースされたもの。水流を遮る物の後方などによくできる。三日月型のやや凹状部と、その中が長円から楕円状の凸部になる。 スキップマーク(英: skip mark) 水流により礫などの粒子が跳躍した跡がトレースされたもの。小石ならば三角から楕円型の凸状となる。断続的に形成されることもある。跳躍した粒子の入射角によって、プロッドマーク(prod mark)、バウンズマーク(bounce mark)、ブラッシュマーク(brush mark)とも言われる。 グルーブマーク(英: groove mark) 水流により主に小石が運搬された時に海底を削った跡がトレースされたもの。連続する半円柱型の凸状となる。円柱の方向が水流の方向を示すがグルーブマーク単独での流れの向きまでは判別困難なことが多い。 他にも形状による多種の形態が確立している。流痕は石灰岩層やチャート層の底面にみられることもある。チャートは粒子が小さくかつ硬質なため細部まで元地形がトレースされ、固結までの保存状態が良いと比較的容易な地形判読が可能となる。
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