求刑と量刑の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 07:45 UTC 版)
裁判官が検察官の求刑を重視すると言っても、懲役刑の刑期など幅のある判断では、求刑と量刑が一致することは少ない。通常、量刑は、求刑の刑期の「七掛け、あるいは八掛け」とか、「求刑より1ランクないし2ランク低い」ものとなることが多いとされる。また、短期の求刑の場合には、執行猶予が付されることも多い。たとえば、検察官が「懲役5年」を求刑したときには「懲役4年」程度の量刑が行われ、検察官が「懲役1年6月」を求刑したときには「懲役1年6月、執行猶予3年」(いわゆるイチロクサン)程度の量刑が行われるというものである。この、求刑から量刑によって差し引かれて軽くなることを指して、俗に「弁護料」と言う。求刑と量刑が同じでは、被告人が「弁護人は真摯に弁護しなかったのではないか」と疑うため、形式的に求刑から差し引くものと考えられているのである。 しかし近年は、求刑よりも重い量刑の判決も増加してきたとされる。これは、立法の厳罰化傾向(刑罰積極主義)と歩を合わせるように、量刑においても厳罰化傾向が生じたためとされる。したがって、必ずしも「量刑は求刑の七掛け、八掛け」「求刑が短ければ執行猶予付き」などという傾向があてはまらない事案もある。
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