求償関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 16:35 UTC 版)
715条3項の規定は、現実の加害者である被用者が、最終的なリスク負担者であるという趣旨を示している。建前上は使用者の支払った賠償金の全額を求償できることになっているが、一般には広く求償権は制限されると解されている。被用者の行為が使用者の業務としてなされた以上、損害発生に寄与したものとして、使用者が応分の負担をなすべきだと考えられるのである。判例は「諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度」において求償しうる、としている(最判昭和51年7月8日民集30巻7号689頁)。使用者責任と被用者の不法行為責任は、不真正連帯責任となる。 いっぽう、被害者が被用者のみから全額の損害賠償を取り立てた後、被用者から使用者に対して負担を求めること(逆求償)について明文の規定はなかったが、最高裁は「損害の公平な分担という見地から負担を請求できる」として、逆求償も可能であると示した(最判令和2年2月28日)。
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