水素5(五重水素)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/19 02:50 UTC 版)
5Hは非常に不安定な水素の放射性同位体である。核は1つの陽子と4つの中性子からなる。水素5は2001年にロシア、日本、フランスの科学者のチームによって理化学研究所のRIビーム科学研究室で最初に合成された。高速の6Heを1Hに照射し、衝突時に放出される陽子2つのエネルギーと放出角度を観測することで水素5が生成していることが推測された。放出陽子の検出には、RIビームサイクロトロンのターゲットの後方に設置された何層もの検出器を有する装置、「理研テレスコープ」が使われている。2002年には別のチームが三重水素に三重水素を衝突させる方法でも合成に成功している。この実験では、衝突時に放出される陽子1つから水素5の存在が推測された。水素5は少なくとも半減期9.1 × 10−22秒で2つの中性子放出を起こし崩壊する。
※この「水素5(五重水素)」の解説は、「水素の同位体」の解説の一部です。
「水素5(五重水素)」を含む「水素の同位体」の記事については、「水素の同位体」の概要を参照ください。
- 水素5のページへのリンク