水素かヘリウムか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 14:53 UTC 版)
水素とヘリウムがよく浮揚ガスの例に挙げられる。ヘリウムは水素分子の2倍の重さだが、どちらも空気よりかなり軽いため、互いの揚力の差はごくわずかである。 水素とヘリウムの空気中の揚力は、浮力の理論を使用して計算できる。 F B =(ρair-ρgas)×g×V ここでは、 F B =浮力 (N) g=重力加速度=9.8066m/s 2 = 9.8066 N/kg V =体積 (m3) とする。 すると、海面で空気中の水素によって持ち上げられる質量は、水素と空気の密度差に等しく、次のようになる。 (1.292-0.090)kg/m3 = 1.202 kg/m3 また、海面での空気中の1m3の水素の浮力は次のとおり。 1m3 × 1.202 kg/m3 × 9.8 N/kg = 11.8 N したがって、海面で空気中のヘリウムによって持ち上げられる質量は次のとおり。 (1.292-0.178)kg/m3 = 1.114 kg/m3 海面の空気中の1m3のヘリウムの浮力は次のとおり。 1m3 × 1.114 kg/m3 × 9.8 N/kg= 10.9 N したがって、ヘリウムと水素の浮力の差は次のとおり。 11.8 /10.9≈1.08 よって互いの浮力の差は約8.0%である。 この計算は海面温度を0 °Cと仮定する。より高い高度や温度では、揚力は空気の密度に比例して減少するが、水素の揚力とヘリウムの揚力の比率は同じままである。
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