民族の主体性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 05:12 UTC 版)
所感派は国際派との激しい論争を交えながらも、反米民族闘争を展開してゆく。その戦略とは、アメリカの占領政策の酷さを民衆に広く啓蒙し、日本民族が優れた文化的過去を有していることを民衆に明確に知らしめれば、圧制からの解放を熱望する文化的民族という集団的民族意識が生まれ、社会主義革命が実現し得るとするものであった。 石母田はアメリカ占領下の日本にあって政治的な危機意識を持ち、『続・歴史と民族の発見』の中でも「外国の帝国主義的支配者たるアメリカと売国の徒に対立するものとしての大衆すなわち国民」と述べており、所感派と見解を一にする。石母田にとって「民族」とは、社会や政治を劇的に変革する主体としてあらねばならなかった。
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