歯とその生え変わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/24 16:43 UTC 版)
モササウルス科の歯はグロビデンスなど例外はあれど統一された形態を示しており、尖って湾曲した歯冠は骨を含む肉茎の上にある。エナメル質の表面は滑らかで、歯冠は舌側表面と唇側表面に細分される。歯冠の外側表面はエナメル質からなり、内側の層は象牙質からなる。化石標本からは垂直に歯が生え変わる派生的なシステムの根拠が見受けられる。水平面が後側へ傾斜した配置で歯が生え変わる有鱗目はヘビだけであると考えられている。ヘビは通常のオオトカゲ上科の生え変わりパターンから逸脱しており、 傾斜した位置で歯が発達して回転するが、モササウルス科に見られる歯の収容のための窪みを持たない。 クリダステスを含むモササウルス科およびヘビは、いずれも槽生歯の特徴を共有し、生え変わり歯が横に位置する点も共通する。しかし、モササウルス科の生え変わり歯は窪みの中で回転することで生え変わっており、この溝は機能的な歯の基部に位置する。ヘビの持つ生え変わり歯は水平に横たわっていて、必要とされた際に機能的な位置へ回転するため、ここがヘビとモササウルス科の歯の生え変わりの相違点である。クリダステスなどのモササウルス科爬虫類では、機能的な歯が失われると、新しい歯の肉茎が成長して置き換わる。モササウルス科は通常哺乳類や主竜類に見られる歯周靭帯による繊維質の歯の接触ではなく、真に歯が固着しているため、彼らの槽生歯の歯列パターンとは異なる。 クリダステスといったモササウルス上科の辺縁歯は前上顎骨・上顎骨・歯骨に見られる。歯骨の背側表面には歯骨間の隆起が存在し、これにより歯が唇側へ分けられる。これらの隆起は既に存在する歯の間に次の歯が成長する助けとなる。
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