歩いた分だけの土地を購入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 04:43 UTC 版)
「デラウェア州の歴史」の記事における「歩いた分だけの土地を購入」の解説
1737年、英国から信任された入植仲買人ウィリアム・ペンの息子たちは、デラウェア川周辺のレナペ族(デラウェア族)の土地を手に入れるため、ラッパウィンソエ酋長(Lappawinsoe)に対し、「我々が一日半で歩いて回れるだけの面積の土地を、白人入植者に売ってくれないか(Walking Purchase)」と持ちかけ、酋長はこれを承諾した。インディアンには「土地を売る」という文化は無かったので、酋長がこの意味を理解していたかどうかは疑わしい。 ラッパウィンソエ酋長は常識的に「ペンが歩く分だけ」だと思っていたのであろうが、ペンは14人の運動選手を集め、彼らを四方八方に向かって一日半(36時間)かけて281kmを歩かせた。こうして、デラウェア川一帯120万エーカー(4,860平方km)の土地は、白人のものとなってしまった。「今後レナペ族がこの土地に住むことはできない」と知ったラッパウィンソエと部族民は当然これを詐欺であるとして猛抗議をし、取引の破棄を求めたが、ペンらは「契約は成立した」として抑え込んだ。 現在、この契約書は連邦条約にも基づいておらず、署名の無い偽造物であるとされている。エンサイクロペディア・ブリタニカの「土地の詐欺取引」の項目は、この「Walking Purchase」に言及している。 結果、レナペ族はデラウェア川周辺の領土を詐欺で奪われ、19世紀までには他州へ追いやられていった。
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