歌仙絵の斎宮女御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 15:06 UTC 版)
三十六歌仙の中でも5人しかいない女流歌人の1人で、しかも唯一の皇族歌人である斎宮女御は、後の歌仙絵の中でも際立った存在感を示している。絵柄は数種の構図が知られており、高貴な身分を示す繧繝縁の畳に伏し美麗な几帳の陰に姿を隠したものが最も一般的である。現存最古の作品として名高い佐竹本三十六歌仙絵巻でも、束帯や華麗な十二単の正装に居住まいを正す歌仙が大半を占める中で、一人くつろいだ袿姿で慎ましく顔を伏せた斎宮女御は、いかにも深窓の姫君らしい気品漂う姿が華やかな色彩で美しく描かれている。なお、大正8年(1919年)にその佐竹本が切断・売却された際には、六歌仙の一でもある小野小町をも上回って斎宮女御に三十六歌仙中最高の価格が付けられたといわれ、益田孝の所有となった。
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