機能的形態学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/11 09:40 UTC 版)
機能的形態学 (functional morphology) は、ジョルジュ・キュヴィエを代表とする。この立場は、器官は機能のためにある、という見方に基づく。彼においては生物体の構造はすべて機能のために存在するのであって、純形態学がそれらを機能から切り離して抽象的に扱うことを強く批判した。 彼によれば、生物の体のそれぞれの部分は、その生物体が全体そして機能することができるように互いに関連し、統合的に成り立っていなければならない。彼はまた、子細に調べれば一つの骨からでも全身が推定できる、とも言っている。 これは、彼が生物学における実証主義的方向を確立した、ということにも関係している。彼によれば、生物学者はまず個々の事実の実証的な研究をするべきであって、そこに思弁的な要素が入ることを排除しようとした。そのために解剖学は正確さを増し、彼の元で動物の分類は大きく進歩した。また、断片的な部分でもたらされる事が多い化石を生物として研究するという方向も、彼によって大きく推し進められた。 他方、その思弁を廃したところは無思想性にもつながり、むしろそういった面では安易に既製の判断に乗ってしまったところもある。ラマルクの進化思想も彼は受け付けず、天変地異説を主張したなどの点は後世に批判されるところとなった。
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