機能性高分子ゲル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/13 03:52 UTC 版)
1978年に田中豊一(MIT)によって発見された高分子ゲルの体積相転移現象により、高分子ゲルの機能化に関する研究は爆発的に進展を見せた。ゲルの体積相転移現象とは、温度、溶媒、pH等の外界の変化に対し、ゲルの体積が可逆的にかつ不連続的に変化する現象である。この性質を利用して、高分子ゲルを人工筋肉やアクチュエータ、形状記憶材料やドラッグデリバリーシステム(DDS)などの高機能デバイスへ応用する研究が盛んにおこなわれている。 また、高分子ゲルの機能化にあたりそのナノサイズの構造を制御する研究もおこなわれている。近年では、岡野光夫らによって網目を構成する高分子鎖に枝分かれ構造を付与したグラフトゲルが作成され、枝分かれのないゲルに比べ刺激に対する収縮速度が速くなることがわかった。他にも、堀江一之・古川英光・渡辺敏行らは剛直な高分子であるポリイミドにアゾベンゼンを取り入れ、三官能性アミンで末端架橋したポリイミドゲルを作成し、光照射により可逆的にゲルの網目構造を変化させ、マクロな形状変化を起こすことに成功している。
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