槍先形尖頭器の出現と発達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 04:45 UTC 版)
日本では、尖頭器(槍先形尖頭器)は旧石器時代のナイフ形石器の盛行期(約2万年前から約1万5千年前まで)に出現している。その起源はナイフ形石器から発展変化したとも、大陸からもたらされたものともいわれるが、未だに解決されていない。ナイフ形石器は後期旧石器時代末葉に衰退していくが、代わって槍先形尖頭器は著しく発達し、量的にもめざましく増加する。槍先形尖頭器は、細石器が多用された時期には一時的に減少傾向をみせるが、縄文土器が出現する前後に最盛期をむかえる。そこで、細石器段階以前を初期尖頭器、以降を発達期の尖頭器と呼ぶこともあるが、両者の差異はかなり顕著である。前者は一般的に比較的小形のものが多く、調整も周辺部調整、片面調整、両面調整と多様であるのに対し、後者は長大なものが加わり、大半が両面調整のものへと定式化されていく。また後者には有舌(有茎)尖頭器がともなうようになる。縄文時代の槍先形尖頭器は上述の発達期尖頭器の後半部にあたる。 矢板市教育委員会は高原山黒曜石原産地遺跡群平成20年度調査で、旧石器時代から縄文時代早期にかけて(1万2千~1万5千年前)のものとみられる国内最大級長さ14cmの尖頭器及び製作場所を発見したと発表した。これまで石器を作っていた場所は発見されておらず、貴重な発見である。
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