構造と移動型トーチカの限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 14:55 UTC 版)
「バイソン移動トーチカ」の記事における「構造と移動型トーチカの限界」の解説
トーチカは木型にコンクリートを注入して製造され、木型の隙間のため特徴的な筋ができた。これは現在でも見ることができる。補強されないコンクリートは重火器に対して充分な防御とはいえなかったが、飛行場に降下してくる(はずの)軽装備のドイツ軍降下猟兵には充分対応できるものだった。 後部トーチカへの出入りは、輸送車のデッキに設けられたハッチを介して行う。運転席の装甲はオープントップであり、側壁を乗り込えて搭乗する。初期の車両は両方のトーチカ上部の間に、連絡用に長方形の箱を置いた。分割トーチカ型は傾斜装甲を持ち、重量を軽減している。少数の車両は運転席を非装甲として展開時の機動性を向上させている。 またエンジンと脆弱なラジエーターの防御を試みたものもある。これらはラジエーターの半分以上を軽量の鋼板で覆っただけのもので、ステアリングボックスは剥き出しのままだった。 この車両はあくまで「装甲車」ではなく、単にある位置から位置へと動かすことができたトーチカであった。ほとんどの車両は、重量過大、貧弱な視界、ラジエーターの冷却能力不足のため移動が全く困難だった。いくつかの車両は完全に壊れ、牽引されたか、適所に放棄された。ボイラーを撤去して使われなくなったスチームワゴンの車体を利用したものは、過加重にも対応できた。
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