根の重複度の微分による判定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 07:55 UTC 版)
「多項式の根」の記事における「根の重複度の微分による判定」の解説
定理 A を可換環、P を A-係数多項式とし、α は P の位数 m の根とする:α は P の導多項式 P′ の位数が少なくとも m – 1 の根で、m が A において消約可能ならば位数はちょうど m − 1 になる。 α は P, P′, P″, …, P(m–1) の根になる。 階乗 m! が A で消約可能ならば α は P(m) の根にはならない。 証明 仮定により P(X) は適当な m > 0 と Q(α) ≠ 0 なる多項式 Q を用いて (X – α)mQ(X) なる形に書ける。微分して、P′(X) = (X – α)m–1R(X) (R(X) = mQ(X) + (X – α)Q′(X) かつ R(α) = mQ(α) となり最初の主張は示された。あとの二つは帰納法で出る。 別な方法として、ライプニッツの法則(これは形式微分(英語版)に対しても成立する)を用いても同じようにできる。 特に: P の根が重根となるための必要十分条件は P′ の根にもなることである。 A が標数 0 の体ならば、α が P の m-位の根となるための必要十分条件は P(α) = P′(α) = P″(α) = ⋯ = P(r–1)(α) = 0 かつ P(r)(α) ≠ 0 となることである。 正標数 p の場合には、この最後の判定法は適用できない。実際、例えば Xp の導多項式は零多項式となる。
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