杉障子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 00:57 UTC 版)
遣戸障子が現在の襖であるとは限らないのがこの杉障子である。単に杉戸とも云い、黒漆塗りの框に杉、檜、槙などの一枚板を嵌め込んでいる。杉は檜と同様に真っ直ぐな木で上質なものは縦に割りやすい。今なら製材機で簡単に板が作れるが、平安・鎌倉時代にそんなものは無く、それどころか大木を縦に切る大鋸(おが)すら15世紀からである。寝殿造の時代には板は割って作り、仕上げは槍鉋(参考:法隆寺iセンター所蔵物)で削る。それで幅広の板まで作っている(参考:春日権現記絵)。 なお木材は杉だけとは限らず杉障子も含めて板障子とも呼ばれるが、杉障子という用語が良くでてくることから杉を使う場合が多かったと思われる。なお、内裏紫宸殿の賢聖障子も板のパネルに絹を張り、その上に絵を描いたものであるが、杉障子・杉戸は絹などを貼らずに、板に直接絵を書く。画像15は『慕帰絵詞』にある杉障子である。ここでは建物の外周に使われており、その杉戸には鳥や草木が描かれている。馬もよく描かれる。
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