札幌飛行場 (初代)とは? わかりやすく解説

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札幌飛行場 (初代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 06:09 UTC 版)

札幌飛行場
(札幌第一飛行場)

1947年米軍空撮による旧・札幌飛行場、上には現在の札幌飛行場(丘珠空港)も写っている。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
IATA: なし - ICAO: なし
概要
国・地域 日本
所在地 北海道札幌市北24条
種類 民営→官設→軍用
運営者 北海タイムス逓信省航空局→大日本航空輸送→陸軍省大日本帝国陸軍
座標 北緯43度05分22.7秒 東経141度20分16.4秒 / 北緯43.089639度 東経141.337889度 / 43.089639; 141.337889座標: 北緯43度05分22.7秒 東経141度20分16.4秒 / 北緯43.089639度 東経141.337889度 / 43.089639; 141.337889
地図
札幌飛行場(初代)
札幌飛行場(初代)
札幌飛行場 (初代)の位置
滑走路
方向 長さ (m) 表面
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札幌飛行場(さっぽろひこうじょう)は、かつて北海道札幌市北24条西(現在の北区)に存在した飛行場。

かつては北海道と東京を結ぶ唯一の航空路を持っていた飛行場で、太平洋戦争中は製鉄・兵器工場のあった室蘭を守備するため、日本陸軍飛行第13戦隊が配備された[1]

航空機を飛行場へ誘導するための航空灯台は、南1条西2丁目にある丸井今井札幌本店屋上の塔屋に設置されていた[2]

1945年の終戦とともに閉鎖されたが、跡地では進駐軍落下傘降下部隊が何度か降下訓練を行っている[3]

歴史

  • 1926年大正15年)8月 - 北海タイムス社が事業部に航空班を設立する[4]
  • 1927年昭和2年)1月 - 北海タイムス社が市有地に6.6haの飛行場を造成する[4][5]
  • 1932年(昭和7年)8月 - 帝国議会で北海道方面への定期航路用飛行場整備を可決[6]
  • 1933年(昭和8年)
    • 3月 - 逓信省が53haに拡張を決める[4]
    • 6月9日 - 定期航路対応飛行場として竣工[6]
    • 8月 - 逓信省が航空局を設立する[4]。道内初の国立飛行場となる[5]
  • 1936年(昭和11年)
    • 9月 - 飛行場が整備され、航空局札幌飛行場事務所が設置される[4]
    • 10月8日[7] - 陸軍特別大演習の観兵式(陸軍兵25,000人参加)が開かれる[1]
  • 1937年(昭和12年)
  • 1938年(昭和13年) - 丸井今井の屋上に航空灯台が設置される[4]。札幌-東京線の機材を三菱ひなづる型に変更[6]
  • 1939年(昭和14年) - 事業者が国策会社の大日本航空輸送となる[4][5]
  • 1940年(昭和15年) - 企業による航空事業は停止され、軍用飛行場となる[4]。7月9日に札幌-東京線を休止[6]、10月に廃止[5]
  • 1944年(昭和19年)8月 - それまでの草を刈って整地しただけの滑走路から、板敷滑走路に変わる[4]。長さ400m、幅18m[5]
  • 1945年(昭和20年)
    • 8月 - 市民を動員して100haへの拡張工事が行われるものの、太平洋戦争の終結とともに中止される[4]
    • 10月26日 - 進駐軍の軍需機材処理部隊によって、26機の航空機もろとも火炎放射器で焼き尽くされる[4][5]

遺構

札幌市北区北24条西8丁目には高さ2m超の門柱が残る[5]。また門柱の間には、坂坦道によるプロペラにパイロットの顔をあしらった彫刻「風雪」碑がある[9]

北区歴史と文化の八十八選のうち、「2.水辺と開墾の道〈北・新川・新琴似・麻生コース〉」に属する「25.札幌飛行場正門跡と『風雪」碑」として選定されている[10]

また、飛行場の北側に設けられていた防風林は、緑地を活かす形で道路として造成され、同八十八選の「23.北27条公園通り」となった[11]

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b さっぽろの戦跡 札幌飛行場 正門跡”. 札幌市平和バーチャル資料館 (札幌市). 2015年3月17日閲覧。
  2. ^ 『札幌市電が走る街 今昔』p.49
  3. ^ 『札幌市電が走る街 今昔』p.152
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 片岡 2012, p. 169.
  5. ^ a b c d e f g h i 北海道新聞社130年 紙面が語る あのとき そして 札幌-東京 空路開設 1937年4月(昭和12年) - 北海道新聞 2017年5月11日朝刊
  6. ^ a b c d 新千歳市市通史編上巻 第5章日中戦争と海軍航空隊 - 千歳市役所
  7. ^ 画像参照
  8. ^ 帝都を北へ一千キロ 拓け行く航空路 飛べ!『空の超特急』 - 北海タイムス1937年4月1日
  9. ^ 『札幌秘境100選』
  10. ^ 札幌市北区役所 - 25.札幌飛行場正門跡と「風雪」碑
  11. ^ 札幌市北区役所 - 23.北27条公園通り

参考文献

  • 「25 札幌飛行場正門跡(北区北二十四条通)」、青木由直編著『札幌秘境100選』マップショップ、2006年10月。ISBN 4-9903282-0-5
  • 札幌LRTの会・編『札幌市電が走る街 今昔 未来を目指す北の都 定点対比』JTBパブリッシング(キャンブックス)、2012年9月1日。ISBN 978-4-533-08737-0
  • 片岡秀郎『札幌歴史散歩』ヒルハーフ総合研究所、2012年7月14日。ISBN 978-4-9906400-0-2 



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