本文調査の結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/23 19:43 UTC 版)
「久邇宮家旧蔵本古活字版源氏物語」の記事における「本文調査の結果」の解説
桐壺巻では当初知られていた第一丁表を含む全25丁中22丁が九州大学本と同じ版面であり3丁が九州大学本とは異版であった。全巻にわたって調査した結果は全丁が九州大学本と同版なのが6帖、全丁が九州大学本とは異なる版面なのが12帖であり、桐壺を含む残りの36帖が九州大学本と同版の丁と異版の丁が混在している帖であったが、これらの帖の同版の丁と異版の丁の比率は帖によってそれぞれ大きく異なっている。54帖全体としては約2000丁のうち約7割(約1400丁)が九州大学本と同版であり、約3割(約600丁)が異版である。九州大学本と異版の丁は、1丁(若紫帖の第26丁)を除き川瀬一馬によって「寛永古活字版と同じ活字を使用した古活字版ではあるが、わずかに異なる文面をもった異植版である」とされ寛永古活字版の第二種版に分類された古活字版である大東急記念文庫本と同じ版面であった。このような調査の結果、久邇宮家旧蔵本、九州大学本と「寛永古活字版(第二種版)」及び「或本(本書の若紫1帖のみに見える版本)」は制作者と制作時期に何らかの関係が存在すると見られる相互に異版と見られる関係であることが明らかになった。どのような状況でこのような現象が発生するのかについて、刷り余りを活用した可能性などさまざまな考察がなされている。
※この「本文調査の結果」の解説は、「久邇宮家旧蔵本古活字版源氏物語」の解説の一部です。
「本文調査の結果」を含む「久邇宮家旧蔵本古活字版源氏物語」の記事については、「久邇宮家旧蔵本古活字版源氏物語」の概要を参照ください。
- 本文調査の結果のページへのリンク