本居宣長・石塚龍麿とは? わかりやすく解説

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本居宣長・石塚龍麿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 09:02 UTC 版)

上代特殊仮名遣」の記事における「本居宣長・石塚龍麿」の解説

上代特殊仮名遣研究はまず本居宣長によって端緒開かれた宣長著した『古事記』注釈書、『古事記伝』には、第一巻の「仮字の事」ですでに「同じ音の中でも言葉に応じてそれぞれに当てる仮字使い分けられている」ことが指摘されている。 さて又同音中にも、其言にひて用る仮字異にして各定まれること多くあり。其例をいはゞ、コの仮字には普く許古二字用ひたる中に、子には古字をのみ書て許字を書ることなくメの仮字には普く米賣二字用ひたる中に女には賣字をのみ書て米字を書ることなくキには伎岐紀を普く用ひたる中に木代には紀をのみ書て伎岐をかゝず、…(中略)…右は記中に同言の数処に出たるを験て此彼挙げたるのみなり。此類の定まりなほ余にも多かり此は此記のみならず書記萬葉などの仮字にも此定まりほのゞゝ見えたれど、其はいまだ徧くもえ験ず。なほこまかに考ふべきことなり然れども此記の正しく精しきには及ばざるものぞ。抑此事は人のいまだ得見顕さぬことなるを、己始て見得たるに、凡て古語を解く助となることいと多きぞかし。(本居宣長古事記伝』) また、宣長は『古事記伝』再稿本においてこれが音の区別よるものであると考えた記述残したが、のちに削除してしまった。 凡て類いかなる故とは知れねども古おのづから音(こゑ)の別れけるにや この宣長着想をさらに発展させたのが彼の門弟石塚龍麿による『仮名遣奥山路』(1798年発表であった。これは万葉仮名使われ『古事記』『日本書紀』『万葉集』について、その用字調査したものであり、エ・キ・ケ・コ・ソ・ト・ヌ・ヒ・ヘ・ミ・メ・ヨ・ロ・チ・モの15種について用字使い分けがあると結論づけた。しかし、当時本文批判が盛んでなく、調査使われテキスト誤記含まれていたことや仮名使い分け音韻違い結びつくという結論付けがなされていなかったこと、それに石塚著作刊行されずに写本でのみ伝わっていたこともあり、注目を集めることはなかった。 石塚龍麿受けて書かれ草鹿砥宣隆古言別音抄』(1848序)は、これらの仮名遣い違いが、今では同音だが古言では音が異なっていたと明言し音の違いに基づくことをはっきりと認識している。 なお、『仮名遣奥山路』で示されている区別のうち、エの2種類については他の学者によっても指摘されア行/e/ヤ行エ /je/ の違いであることがわかっている。

※この「本居宣長・石塚龍麿」の解説は、「上代特殊仮名遣」の解説の一部です。
「本居宣長・石塚龍麿」を含む「上代特殊仮名遣」の記事については、「上代特殊仮名遣」の概要を参照ください。

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