末期の人への洗礼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 05:29 UTC 版)
「マザー・テレサに対する批判」の記事における「末期の人への洗礼」の解説
マザー・テレサは自らが率いる修道会において、末期の病人がどんな信仰を抱いていようと、かまわずひそかに洗礼を行うことを奨励していた。神の愛の宣教者会にいたスーザン・シールズは次のように書いている。「修道女たちは、死の危険が迫る人たちに『天国への切符』を望んでいるか、とたずねなければならなかった。肯定的な返事があったら、それは洗礼に同意したとみなされた。修道女たちは患者の額を濡れた布で冷やすようにみせかけながら、必要な言葉を静かに唱えながら洗礼を施すのである。なぜ秘密裏に行うことが大事かといえば、マザー・テレサの修道女たちがヒンドゥー教徒やイスラム教徒に洗礼を施していることを明るみにだすわけにはいかないからである」。 ジャーナリストのマレー・ケンプトンを筆頭として、こうした行為には批判が相次いだ。洗礼を施すのに、患者には意志決定ができるだけの十分な情報(自身が洗礼を本当に望んでいるのか、キリスト教における洗礼の神学的な意義とは何か)が与えられていないからである。一方で作家のシモン・レイスは、ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックスへの投書でテレサを擁護している。「洗礼の仕草が持つ超自然的な効能を信じている人々は、それを心から望んでいるはずだ。そして信じていない人にとっては、善意による他愛もない仕草に過ぎない。頭の上のハエを手で払ってもらうのと同じことである」。
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