プロブレマティカ
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プロブレマティカ(problematica)とは、古生物学において由来の特定できない化石を指す言葉である。日本語では未詳化石、疑問化石、所属不明化石などとも呼ばれる。微化石の場合は特にマイクロプロブレマティカと呼ばれる場合もある。
概説

マウソニテス([en]。原生代新原生代エディアカラ紀。英国、ロンドン自然史博物館所蔵)
プロブレマティカは生物に由来するものと推測されるが、その分類学的位置付けが明らかでなかったり、近縁種さえも類推不可能な化石である。あるいは、そもそも化石ではなく無機的要因で生成したことが疑われるものもある。プロブレマティカが詳細不明であるのは、もっぱら化石自体の本質的な特徴に理由があるのであって、化石が破損していたり、二次的な変成を受けたがゆえに情報が失われて同定が困難となったものではない。
発見当初にプロブレマティカとされていた化石が、のちの研究の進展によって同定される場合もある。例えばコノドントはプロブレマティカの一例であるが、クリダグナサスなどの原始的な脊椎動物の歯であることが明らかになった。また、従来は多くの生痕化石がプロブレマティカとして扱われていたが、これも生痕を生成する動物群の解明とともに、生痕化石として別途扱われるようになっている。
参考文献
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- 日本古生物学会 編『古生物学事典』朝倉書店、1991年。ISBN 978-4254162325。
関連項目
外部リンク
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未詳化石(1970~1980年代)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:21 UTC 版)
「オパビニア」の記事における「未詳化石(1970~1980年代)」の解説
1970年代、イギリスの古生物学者ハリー・ウィッティントン(Harry B. Whittington)の再記載(Whittington 1975)により、オパビニアは甲殻類どころか、一見して節足動物にすら分類しにくいほど独特な特徴をもつことが分かった。これは1972年にバージェス動物群の学会発表があった際、ウィッティントンのこの復元図が映し出された途端、会場内は爆笑の渦に包まれたという逸話が残るほどである。 Whittington 1975 では、オパビニアはどの動物門にも属さず、節足動物と環形動物の体節制をもつ原始的な系統群の種類ではないかと解釈された(節足動物と環形動物は当時ではまだ一般に近縁扱いされ、お互いに別系統だと判明したのは21世紀以降である。節足動物#他の動物門との関係性を参照)。その難解さはスティーヴン・ジェイ・グールド(Stephen Jay Gould)著の『ワンダフルライフ』(1989)で更に強調され、同じくカンブリア紀のアノマロカリスなどと共に、現生の動物門に分類不可能な「プロブレマティカ」(未詳化石)で、バージェス動物群の「奇妙奇天烈動物」(Weird Wonders)の代表例として取り上げられた。
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