有界函数と有限加法的測度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/18 08:48 UTC 版)
「有限加法的測度」の記事における「有界函数と有限加法的測度」の解説
函数を有限加法的測度に関して積分することは一般にはよく振る舞わないが、考える函数が有界かつ全体空間の容積が有限の場合には以下に述べるようによく振る舞う。 適当な有限加法的測度 λ を固定し、以下それに関する容積を考える。考える空間 X の全容積 λ(X) は有限とし、函数 f は X 上有界かつ実数直線上の任意の開集合 U の引き戻し f−1(U) が容積を持つようなもの(有界 λ-可測函数)とする。このとき f の有限加法的測度 λ に関する積分を ∫ f d λ = lim ∑ i = 1 n f ( α i ) λ ( f − 1 ( A i ) ) {\displaystyle \int f\,{\mathit {d\lambda }}=\lim \sum _{i=1}^{n}f(\alpha _{i})\lambda (f^{-1}(A_{i}))} と定義することができる(右辺はいわゆる「リーマン和」である)。ここで Ai はこれらの合併が f の値域を被覆する互いに素な半開集合からなる有限族であり、αi は Ai の任意の元である。極限は全ての集合 Ai の径を 0 にするようにとる。 空間 X 上の測度 μ をとれば、X 上の有界な μ-可測函数の全体は上限ノルムに関してバナッハ空間を成す。このバナッハ空間の双対空間における正の元(英語版)は X 上の有界な有限加法的測度 λ に対応する(汎函数としての λ の有界函数 f における値は積分 ∫ f dλ で与えられる)。同様に、本質的有界函数の空間に本質的上限ノルムを入れたバナッハ空間 L∞(X, μ) を考えると、その双対空間の正元は測度零の集合上で消える有界な有限加法的測度で与えられる。
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