有機合成における有機鉄化合物と均一系触媒としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/28 01:41 UTC 版)
「有機鉄化合物」の記事における「有機合成における有機鉄化合物と均一系触媒としての利用」の解説
塩の毒性が低く安価であるため、鉄は頻繁に化学量論的試薬として用いられる。有機反応における触媒としての鉄はコバルトやニッケルほど注目されてはいないが、主要な適用対象としては以下がある。 アルドール反応やマイケル付加などの付加反応 置換反応(特にカップリング反応)。塩化鉄(III)はフリーデル・クラフツ反応の触媒としてよく知られている。[(η3-allyl)Fe(CO)4]+X−はアリル置換におけるアリルカチオンの、Ph(CO)2Fe+(η2-vinyl(OEt))BF−4は保護されたビニルカチオンの、テトラカルボニル鉄(-II)酸ナトリウムはカルボニルジアニオンの等価体と見なせる。 エン反応やCpFe(CO)2CH2S+(CH3)2BF−4を用いたシクロプロパン化などの環化付加 Knölker錯体などを触媒とした水素化や還元 異性化や転移反応 クロスカップリング反応。Fe(acac)3のような鉄錯体は、一方をアリールまたはアルキルグリニャール試薬、もう一方をアリール、アルケニル、アシルのハロゲン化物とした幅広いクロスカップリング反応を触媒する。関連する熊田・玉尾・コリューカップリングにおいてはニッケルまたはパラジウム触媒が用いられる。
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