有機合成における応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/15 23:56 UTC 版)
「酸化オスミウム(VIII)」の記事における「有機合成における応用」の解説
有機合成分野において酸化オスミウム(VIII)は、アルケンを 1,2-ジオールへと変換する重要な酸化剤として用いられる。機構としては炭素-炭素二重結合に対して酸化オスミウム(VIII)がシス付加して6価の環状オスミウム酸エステルを生じ、これが加水分解されてジオールを生ずると考えられている。この反応は入手容易な官能基であるオレフィンから不斉点2つを一挙に導入することができ、ジオールはさらに他の官能基へと変換することも容易であるため、有機合成上重要である。 普通に反応を行うと酸化オスミウム(VIII)はオレフィンに対して等モル量が必要であるが、再酸化剤を反応系に加えてやると6価のオスミウム酸が8価の酸化オスミウム(VIII)に酸化されるので、危険なオスミウム試薬の使用量を触媒量に減らすことができる。再酸化剤としては N-メチルモルホリン-N-オキシド (Upjohn法)、過酸化水素、フェリシアン化カリウムなどが用いられる。
※この「有機合成における応用」の解説は、「酸化オスミウム(VIII)」の解説の一部です。
「有機合成における応用」を含む「酸化オスミウム(VIII)」の記事については、「酸化オスミウム(VIII)」の概要を参照ください。
- 有機合成における応用のページへのリンク