有害反射、気道内分泌物の抑制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/26 08:01 UTC 版)
「麻酔前投薬」の記事における「有害反射、気道内分泌物の抑制」の解説
麻酔や手術操作に伴う副交感神経性の反射や挿管時の気道内分泌物は阻止する必要がある。これらの予防としては抗コリン作動薬のベラドンナ薬が使用される。副交感神経性反射の予防にはアトロピンが有効であるが、前投薬としての投与では十分な抑制は期待できず、発生時の静脈内投与が有用である。唾液・気道内分泌物の抑制も抗コリン作動薬であるアトロピンやスコポラミンが使用される。 しかし、極度の脱水状態や心房細動を有する患者でのアトロピン投与は、頻脈発作を誘発することがあり、高齢者でのスコポラミン投与は錯乱状態を起こしやすい。気道内分泌物の抑制が必要な場合は、頻脈や鎮静作用の少ないグリコピロレートが有用であるが、最近では、気道刺激の少ない吸入麻酔薬や静脈麻酔薬による急速導入が普及して、気道分泌物が増加するケタミン麻酔の導入や喫煙者等の麻酔以外には必要の機会が少なくなってきた。とくに意識下の麻酔管理には不要である。
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