時代遅れの銃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 14:25 UTC 版)
63式は中国人民解放軍が掲げる「多数の兵士が長距離射撃で敵を足止めし、最終的に銃剣を用いた肉弾戦に持ち込む」という第二次世界大戦以来の古典的戦闘ドクトリンを踏まえて設計された、いわば第二次世界大戦型の自動小銃だった。実際、63式は十分な射程と威力を誇り、中国人民解放軍の設計要求に適した小銃だったが、同時期各国で運用が始まっていたAK-47やM16に代表される各種の近代的アサルトライフルと比べると、SKSカービンに由来する63式はあまりにも重く長すぎ、フルオート射撃時の火力も劣っていた。さらに設計上の欠陥や不備、品質低下、再設計に伴う性能低下が露呈するにつれて、使用者たる兵士達からは「信頼できない銃」という評価を下された。1978年、生産終了および人民解放軍からの退役が宣言された。最終的な生産数は100万丁ほどだった。 1979年、中越戦争の勃発に伴い56式自動歩槍が不足し始めたため、残されていた63式の在庫の再配備および63式の生産再開が決定した。この際、何点かの改良を加えて再設計が行われ、56式自動歩槍の弾倉が無改造で使用できるようになったほか、内部機構の強度が向上した。ただし、全長は変わらず長大なためジャングルでは枝などに引っかかりやすい、56式の弾倉を装填した場合に抜けやすいといった問題が指摘されていた。
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