日比谷家伝来の雛人形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 02:32 UTC 版)
日比谷家伝来の雛人形「古今雛(江戸製雛人形)」は東京国立博物館にて、2018年2月27日より3月18日まで展示された。これは、日比谷健次郎が安政7年(1860)に、長女「しん」の初節句のためにあつらえたものである。奇しくも,井伊大老が江戸城での節句のために登城中に,桜田門外で襲撃された、その節句である。当時、商品として売られていた雛人形には、大きさに制限(高さ 8寸)があったが、それよりかなり大きな特注品である。作者は不明ではあるが、当時、流通していた雛人形とは別の風格を有する。 江戸製であること、一人の作者による大型の人形一式が伝えられていること、箱書きに「安政七年 春三月」とあり、制作年代がわかること、誰のために誂えられたものかわかることから、美術的評価とともに、歴史学や文化史の上からも貴重な史料と評価することができる。
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