新旧分離の利点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 04:26 UTC 版)
新旧分離を行うことで、事業を承継した新社は過剰な債務から解放され財務が正常化し、商取引や債券の発行、融資に関する支障が取り除かれる。 また新社を旧社の子会社とすれば、新社が黒字計上を果たせば旧社は配当を受け取り、それを弁済に充てることができる。ないしは、旧社は新社の株式を売却し、売却益を弁済に充てることも可能になる。 公共企業体日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化(1987年〈昭和62年〉)は、このスキームを実現するためのものであった。しかし実際には株式売却益を充てても債務の利払いすら満足にできず、逆に債務が膨張してスキームが完全に破綻した。旧社に相当する日本国有鉄道清算事業団解散の1998年(平成10年)にそのほとんどが国の債務に繰り入れられ、国の一般会計から60年かけて直接償還せざるを得なくなる、事実上の失敗に終わった。 チッソも同様で、本業は非常に順調だが、賠償金の債務がのしかかっていたため、サスティナビリティーが疑問視されていた。そのために新旧分離を行い、新会社を身軽にして確実に事業継続を目指す意図であった。
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