文学との関係など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:08 UTC 版)
「日本エア・リキード」の記事における「文学との関係など」の解説
かつての神戸本社は、作家 大岡昇平の小説の舞台となっている。大岡昇平がフランス語の翻訳係として神戸の帝国酸素(日本エア・リキードの旧社名)に入社したのは昭和13年のことである。その大岡昇平は昭和30年に小説『酸素』を新潮社より上梓する。書き出しは、「一人の小男が舷側にもたれ、陸を眺めていた。海はまだ暗かった。波を消された港の水が拡がっていた」。以下がその内容。 ――神戸の〈日仏酸素株式会社〉は海軍と結びついて造船用の酸素を納入していた。その会社にひとりの青年が翻訳係として採用されたが、彼は非合法活動のために特高(特別高等警察)に追われる身だった。日ごとに緊迫の度を増す開戦前夜の暗い時代相の中に、実業家、軍人、地下活動家、女流画家などさまざまに入り乱れる多彩な人物群像、幾重にもからまり合う恋愛心理を冷徹な筆に描く長編。―― 帝国主義時代の日本において、外資系(フランス系)の企業であることをカモフラージュするためにこの社名(帝国酸素)がつけられた、といわれる。のちに、テイサンと改称。その後、日本エア・リキードとなり、現在に至る。外資系ではあるが、一方で神戸の地場産業らしい企業風土も有していた。かつて神戸に本社があったが、その後、東京都港区虎ノ門1丁目の旧日本ガス協会ビルに本社が移転。さらに、東京都港区芝浦のグランパークタワーに移転し、現在に至る。
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