整性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 18:40 UTC 版)
整数係数モニック方程式は整数解以外の有理数解をもたない。つまり、モニックでない方程式 2x2 + 3x + 1 = 0 は整数でない有理数解をもち得る(これはたまたま有理数解、とくに −1/2 を解にもつ)が、x2 + 5x + 6 = 0 や x2 + 7x + 8 = 0 は整数解かさもなければ無理数解しかもち得ないということである。整数係数モニック多項式の根は代数的整数と呼ばれる。 代数的整数論において、整域上のモニック多項式方程式の解は整拡大および整閉整域の理論を考えるうえで重要である。一般に、A は整域で、別の整域 B の部分環と仮定するとき、部分集合 C ⊂ B を A 上のモニック方程式を満足する B の元全体の成す集合 C := { b ∈ B ∣ p ( b ) = 0 ( ∃ p ∈ A [ x ] , p : monic ) } {\displaystyle C:=\{b\in B\mid p(b)=0\quad (\exists p\in A[x],\;p\colon {\text{ monic}})\}} とすれば、C は A を含む。(実際、任意の a ∈ A はモニック方程式 x − a = 0 を満足する。)さらに、C が加法および乗法について閉じていることが示せるから、C は B の部分環である。この環 C を A の B における整閉包と呼ぶ(B が A の商体であるときは、単に A の整閉包と呼ぶ)。また C の元は A 上整であるという。 A が有理整数環 Z で B が複素数体 C であるとき、C は代数的整数環と呼ばれる。
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