批判的討論の規則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/22 05:42 UTC 版)
理想的なモデルでは議論的討論に適用される10の規則が規定されている。討論規則を破ることは意見の相違の合理的解決を妨げると言われ、それゆえに誤謬だとみなされる。 10の規則(Van Eemeren, Grootendorst & Snoeck Henkemans, 2002, pp.182-183を参照)は以下: 自由規則 参加した人々は互いにそれぞれの立場を提出したり立場に対する疑いを投げかけることを妨げられてはいけない 証明の負担の規則 立場を提出する人々は他の立場を提出した人々から疑義を提出されたときに自分の立場を擁護する義務がある 立場の規則 なんらかの立場に対する攻撃は討論に参加している別の人々が実際に提出している立場に関するものでなければならない 関連性規則 人々は自分の立場に関係する立論を提出することによってのみ自分の立場を擁護することができる 暗黙の前提の規則 人々は自分が言わず語らずにしてしまった前提や、他の人々が明言しなかった前提として提出し損ねたものを否定することはできない 開始点の規則 人々は前提を受け入れられた開始点だと偽って提出することはできないし、受け入れられた開始点を表す前提を否定することもできない 議論計画の規則 人々は、擁護が正しく適用された適切な議論計画の手段として行われたのでないならば立場が決定的に擁護されたとみなすことはできない 妥当性規則 人々は、論理的に妥当であるか、あるいは暗黙の前提を明らかにすることで論理的に妥当にできるような立論の範囲内でのみ主張を使うことができる 終結規則 自身の立場を擁護できなかった人々はその結果として自身の立場を撤回しないといけないし、擁護に成功した場合は疑義を提出した人々がその立場に対する疑義を撤回しなければいけない 使用規則 人々は不十分に明確であったり混乱させるほど曖昧な定式化を使ってはいけないし、他の人々による定式化を可能な限り注意深く、精確に理解しないといけない
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