手のひら内向き万歳
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手のひらを内側に向ける万歳の所作に限れば、万歳三唱令以前にも、独自のマナーとして紹介されている。1982年から1985年まで日本テレビで放送されていた番組『久米宏のTVスクランブル』において、樋口清之の指導によるものとして、「(両腕を)あげ終わったとき、手のひらはあくまで頭を間にして内側に向かい合っていなければなりません」という所作が「正しいバンザイの仕方」として放送された(脚部は万歳三唱令と異なり動かない)。このマナーは、衆議院解散時の議員の万歳のポーズの検証をし、お手上げの姿勢になっている議員がいるとして、政治関係者は知っておくべきことだと紹介された。 2020年、BuzzFeed Japanの旗智広太が手のひらを内側に向ける万歳の所作に関する過去の新聞や広報紙の記事を紹介している。産経新聞(2000年6月2日号)の記事では、「自民党などのベテラン議員の間で受け継がれていた万歳の仕方」と記載されている。また、同記事の中で「手のひらが前では、『何も持ってない』『降参だ』を意味し、これから戦うのに意気があがらない」という閣僚経験者の声も紹介されている。北日本新聞(2012年12月12日号)のコラム欄では、「中締めに立った県内の首長や経済人から何度か聞いた。」として万歳の「作法」が紹介されており、「真偽はともかく、締めの万歳に込められた思いを考えれば納得の説明である」と書かれている。旗智は、これらが万歳三唱令に端を発したものなのか、政治家の中で連綿と受け継がれていたものなのか今となっては分からないが、「正しい」「正式な」とするのは表現が行き過ぎていると指摘している。陸上自衛隊第14旅団の広報紙(2017年8月号)では、「万歳の掌(てのひら)は前向きか内向きか?」というコラムを掲載している。そこでは、「両掌は内向きに」とした「万歳三唱令」が存在しないものであることを指摘し、「昔からの習慣上では、どのような万歳が一般的なのであろうか」と記し、内向きと前向きが持つ意味を取り上げた上で、「結論として、万歳の所作は発声と共に両手を勢いよく挙げる動作、という事でよいと思われる。」と結んでいる。
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