戦艦「陸奥」と「ビッグ7」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 04:56 UTC 版)
「ワシントン海軍軍縮条約」の記事における「戦艦「陸奥」と「ビッグ7」」の解説
この条約会議開催までに完成していない艦は廃艦とすることになりそのリストが作られたが、その中に日本の戦艦「陸奥」が含まれていた。日本側は陸奥は完成していると主張したが、英米は未完成艦とした。当時完成していた16インチ砲を搭載した戦艦は、日本の「長門」、アメリカのコロラド級2番艦「メリーランド」の2隻のみであり、陸奥の所有を認めると日本が圧倒的に有利となる。この日本側の主張に対し英米は最終的にその所有を認めることになるが、その代わりにアメリカは廃棄が決まっていたコロラド級2隻の建造続行を、イギリスは2隻の新造(後のネルソン級戦艦)を認められることになり、戦艦比率は日本にとってかえって悪くなるという結果となった。しかしそれを踏まえてもなお、超弩級戦艦4隻を廃棄した英が一番犠牲を払っており、速度・武装とも最も低性能な摂津1隻のみを失っただけで長門、陸奥といった超弩級戦艦2隻を揃えられた日本は最も得をしたと言える。 保有量 米英:50万t→52万5000t 日:30万t→31万5000t 仏・伊変更なし よって保有比率は5:5:3:1.75:1.75から最終的に5:5:3:1.67:1.67になった。 追加廃棄戦艦 英 サンダラー、キング・ジョージ5世、センチュリオン、エイジャックス(ネルソン、ロドニー完成まで保有可) 米 デラウェア、ノースダコタ(コロラド、ウエストバージニア完成まで保有可) 日 摂津 そしてこの結果、世界に存在する16インチ砲搭載艦はアメリカのコロラド級「コロラド」「メリーランド」「ウエストバージニア」、イギリスのネルソン級「ネルソン」「ロドニー」、日本の長門級「長門」「陸奥」の7隻のみとなり、これらの戦艦群は「世界のビッグ7(世界七大戦艦)」と呼ばれるようになった。なおこの呼称は主に日本のみで用いられており、世界標準の呼び名とは言い難い。[要出典]
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