成人のempiric therapy
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 15:52 UTC 版)
「細菌性髄膜炎」の記事における「成人のempiric therapy」の解説
市中発生では数年前まではアンピシリン(ビクシリン)とセフトリアキソン(ロセフィン)であったが耐性菌の増加に伴いカルバペネム系が用いられる傾向がある。この場合はカルバペネム系の単剤療法となる。 パニペネム・ベタミプロン(カルベニン):1回1g、1日4回、合計4g/day(保険適用は2g/dayまで) メロペネム(メロペン):1回2g、1日3回、合計6g/day 院内発生や免疫抑制下(50歳以上やアルコール依存者)ではMRSAやリステリアもカバーするため以下の3剤併用とすることがある。なおセフトリアキソン(ロセフィン)はセファチキシム(クラフォラン)1回2g、1日4回、合計8g/day(保険適応は4g/dayまで)に変更可能である。 セフトリアキソン(ロセフィン):1回2g、1日2回、合計4g/day(保険適応は4g/dayまで) バンコマイシン(バンコマイシン):1回0.5g、1日4回、合計2g/day(保険適応は2g/dayまで) アンピシリン(ビクシリン):1回2g、1日6回、合計12g/day(保険適応は4g/dayまで) また緑膿菌による細菌性髄膜炎に対してはセフタジジム(モダシン)やセフェピム(マキシピーム)を用いることがある。 セフタジジム(モダシン):1回2g、1日3回、合計6g/day セフェピム(マキシピーム):1回2g、1日3回、合計6g/day また抗生物質投与前10〜20分または同時投与でデキサメタゾンを投与することがガイドラインでは推奨されている。 デキサメサゾン(デカドロン):0.15mg/Kgで1日6時間ごと (36mg/60Kg/day) を2〜4日投与 治療中止はガイドライン上は髄液所見が正常化後さらに1週間の投与をしたら終了とされている。髄液細胞50/mm3以下で血清CRP正常化で投与を中止しても再燃しないという報告もある。再発予防としては原因となった疾患(中耳炎、副鼻腔炎、脊椎硬膜下膿瘍、脳室シャント、カテーテル、手術創)などを可能なかぎり治療、除去するといったことである。 微生物治療薬標準的治療期間streptococcus agalactiae アンピシリンまたはペニシリンG 14〜21日間 E.coli セフトリアキソン(またはセフォタキシム) 21日間 Listeria monocytogenes アンピシリン、ST合剤 21日間以上 Klebsiella pneumoniae セフトリアキソン(またはセフォタキシム) 21日間 streptococcus agalactiae アンピシリンまたはペニシリンG 14〜21日間 Haemophilus influenzae type b セフトリアキソン(またはセフォタキシム) 7日間 streptococcus pneumoniae バンコマイシン+セフトリアキソン 10〜14日間 Neisseria meningitidis セフトリアキソン 7日間 内科でしばしば遭遇する細菌性髄膜炎疑いの初期治療は成人60歳で体重50Kg以上で腎機能が正常な場合は、デキサメタゾン9.9g(0.15mg/kg)を6時間毎で4日間、セフトリアキソン2gを12時間毎、バンコマイシン500mgを6時間毎、アンピシリン2gを4時間毎、アシクロビル500mg(10mg/kg)を8時間毎の投与となる。
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