カルバペネム系とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > カルバペネム系の意味・解説 

カルバペネム系抗生物質

(カルバペネム系 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/07 04:22 UTC 版)

カルバペネムの骨格構造

カルバペネム系抗生物質(カルバペネムけいこうせいぶっしつ)とは、β-ラクタム系抗生物質に通常存在する硫黄炭素に置換された骨格をもつ抗菌薬である。β-ラクタム系抗生物質と同様に細胞壁構築阻害作用があり殺菌的に働くとされている。その特徴は多くの細菌に対して効果があり、広域であるという点である。カルバペネム骨格はペネム骨格に比べさらに化学的に不安定なため、臨床的には必ずしも細菌作用が強く表れない。また広域であるが細胞壁構築阻害である以上、細胞壁のないマイコプラズマや、ペプチドグリカンを持たないクラミジアには効果はなく、腸球菌にも静菌的に働く。

代表的な薬物

Enterococcus faecium、フラボバクテリア、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、Clostridioides difficile、MRSA、マイコプラズマ、コリネバクテリア、クラミジア、Stenotrophomonas maltophilia、マイコプラズマ、Burkholderia cepacia、レジオネラなどを狙ってもちいることは考えにくい。

適応症は、敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、など各種感染症で重症なもの。点滴静注用のバッグやキットと筋注用粉末がある。

経口剤も存在するが、点滴のカルバペネム系抗生物質とは扱い方が異なる。

  • テビペネムピポキシル(オラペネム小児用細粒)
適応症は肺炎、中耳炎、副鼻腔炎

禁忌

  1. ショックの既往歴のある患者には用いない
  2. バルプロ酸ナトリウム投与中の患者に用いない(バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがある。 機序不明)


参考文献

関連項目

外部リンク


カルバペネム系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 04:58 UTC 版)

抗菌薬」の記事における「カルバペネム系」の解説

イミペネム英語版) - ただし、イミペネム・シラスタチン合剤(IPM/CS、チエナム)として用いられるパニペネム英語版) - ただし、パニペネム・ベタミプロン合剤(PAPM/BP、カルベニン)として用いられるメロペネム(MEPM メロペン) ビアペネムBIPM オメガシン) ドリペネムDRPM フィニバックステビペネム(TBPM オラペネム)

※この「カルバペネム系」の解説は、「抗菌薬」の解説の一部です。
「カルバペネム系」を含む「抗菌薬」の記事については、「抗菌薬」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「カルバペネム系」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カルバペネム系」の関連用語

カルバペネム系のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カルバペネム系のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカルバペネム系抗生物質 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの抗菌薬 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS