慶長銀の品位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 16:14 UTC 版)
『旧貨幣表』によれば、規定品位は銀80%(一割二分引ケ)、銅20%である。 慶長銀の規定品位銀 銅 江戸時代の貨幣の金および銀の含有率は、極秘事項とされ、民間での貨幣の分析は厳禁とされた。しかし両替商にとって、この金銀含有量は大変重要な情報であり、密かに分析が行われ商人の知るところとなっていた。銀品位の分析では試金石は役に立たないが、銀座の銀見役、両替商など熟練者は純銀の特徴や状態をあらかじめ充分に記憶しておき、表面の錆色、割れ目などに見られる共晶組織から品位を判断したという。銀品位の表示は銀座における銀地金と慶長丁銀との引替え比率で表示された。たとえば当時の製錬技術で最高の上銀(純銀)とされた地金すなわち灰吹銀は、一割り増しの慶長丁銀で銀座に買い取られ、「一割入レ」と呼ばれた。これを基準に慶長丁銀と同品位、すなわち80%の灰吹銀は1.1×0.80=0.88となり、0.88倍の量目の慶長丁銀で買い取られた。これを「一割二分引ケ」の地金と呼ぶ。この12%分が銀座の貨幣鋳造手数料にあたる。 明治時代、造幣局により江戸時代の貨幣の分析が行われた。古賀による慶長銀の分析値は以下の通りである。 金:0.20% 銀:79.19% 雑:20.61% 雑分はほとんどが銅であるが、少量の鉛などを含む。
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