応用地質学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/23 14:15 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動応用地質学(英語: applied geology)は、地質学の立場から社会的な問題に対して研究を行う応用科学のことである。社会の情勢から求められる事柄によって、研究される分野が変化しうる[1]。
小出 (1954)は「応用地質学の一番大切な課題は,地表面がつねにくりかえしている変化を,人間生活との関連においてとらえること」とした[2]:29。これについて高橋 (2006)は1950年代は鉱床学や土木地質学が応用地質学とほぼ同義であったことに対して、このような枠を超えようとした小出博の試みであると評価している[3]:437。
分野
ここでは主な応用地質学の分野を示す。
鉱床学
鉱床学(英: economic geology)は資源工学の分野でもあるが、応用地質学についても含まれうる[4]。
土木地質学
土木地質学(英: engineering geology)は、地下資源などの活用を除いた土地利用のための応用地質学分野の一つであり、地質学の立場から土木工学に対して貢献を行うものである。土木地質図の作成などを通して支援を行う[4]。
岩盤力学
岩盤力学(英: rock mechanics)は断層や褶曲などの地質構造に対して、主に材料学や力学的アプローチをもって研究する学問のことであり、地質工学と関連が深い。近しい分野に「岩石工学」が存在し、これは岩石の変形等の研究分野を含む[5]。
脚注
- ^ “応用地質学とは”. 鹿児島大学理学部 (1995年12月27日). 2020年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月3日閲覧。
- ^ 小出博 (1954). “応用地質学とは何か : どう学ぶか(応用地質学,<特集>現代地質学のテーマ)”. 地球科学 1954 (17): 29-30. doi:10.15080/agcjchikyukagaku.1954.17_29. ISSN 2189-7212. NAID 110007156630 2020年11月3日閲覧。.
- ^ 高橋一 (2006). “小出 博 - 応用地質学の先達(地学者列伝)”. 地球科学 60 (5): 437-440. doi:10.15080/agcjchikyukagaku.60.5_437. ISSN 2189-7212. NAID 10017957073. 国立国会図書館書誌ID: 8536029 2020年11月3日閲覧。.
- ^ a b “土木地質学とは”. 土木研究所地質・地盤研究グループ地質チーム. 2020年11月3日閲覧。
- ^ 日本大百科全書. “岩盤力学”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2020年11月3日閲覧。
関連項目
外部リンク
応用地質学(applied geology、engineering geology)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 04:40 UTC 版)
「地質学」の記事における「応用地質学(applied geology、engineering geology)」の解説
地質学の成果を工学的に応用する分野。かつての日本では鉱山に関する学問との関連が深かったが、現在では建築・土木などとの関連が深い。最近は環境学、林学、防災との親和性も強まってきている。
※この「応用地質学(applied geology、engineering geology)」の解説は、「地質学」の解説の一部です。
「応用地質学(applied geology、engineering geology)」を含む「地質学」の記事については、「地質学」の概要を参照ください。
- 応用地質学のページへのリンク