心筋保護液の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 02:22 UTC 版)
心筋保護液は以下の2種類に大別される。成人の心筋保護液で最もよく用いられるのは血液添加心筋保護液である。心筋保護液は、その添加物に何を加えるかにより様々な投与法があるが、各々の心筋保護液の組成の優劣については未だ議論の余地が多い。 晶質性心筋保護液(crystalloid cardioplegia) 血液(ヘモグロビン)を含まない電解質液。溶存酸素のみを運搬する。温度が低い場合には心筋を維持するだけの酸素の運搬で十分である。従って晶質性心筋保護液は心筋冷却とともに用いられる。透明のため無血術野が得られる利点があるが、大量投与で血液希釈が高度となる。 血液添加心筋保護液(blood cardioplegia) 血液を晶質性心筋保護液に一定割合で混合したもの。ヘモグロビンが含まれるので高い酸素運搬能力があり、冷却時のみならず温かい状態でも使用できる(但し低体温状態では、酸素ヘモグロビン解離曲線が左方に偏位しているため心筋が取り込むことが出来る酸素量は減少している)。また血液に含まれる多くの基質が心筋保護に重要な役割を果たしている。膠質浸透圧が維持されるため心筋浮腫を軽減し、術後心機能を改善出来る利点もある。
※この「心筋保護液の種類」の解説は、「開心術」の解説の一部です。
「心筋保護液の種類」を含む「開心術」の記事については、「開心術」の概要を参照ください。
- 心筋保護液の種類のページへのリンク