心理学とコーチング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 03:43 UTC 版)
ライフ・コーチは心理学者やカウンセラーの活動領域に進出しており、2017年時点でライフ・コーチを雇っている人も少なくないが、専門家たちが活動領域を取り戻そうとする動きもある。大学などアカデミックな世界で研究・教授されるようになってきているが、心理学等の専門家たちが、在野で発展したコーチングと自分たちの領域を区別する向きもある。 『コーチング心理学ハンドブック』では、在野で発展したコーチングに対し、心理学研究に基礎を置くコーチングモデルを用いる分野をコーチング心理学と呼んでいる。ポジティブ心理学と密接に結びついており、オーストラリア心理学会コーチング心理学利益団体(IGCP)はポジティブ心理学の応用分野であると見做している。 コーチング心理学は人間性心理学の伝統をルーツとし、ポジティブ心理学やヒューマンポテンシャル運動を生み出した潮流と関係があるという。スポーツ心理学、カウンセリング心理学、臨床心理学、産業・組織心理学、健康心理学が交差するところにある。ヒューマンポテンシャル運動は何でもありの折衷主義であり、この「うまくいくものは何でも使い、うまくいけば、さらにそれを使う」という哲学が、現代のコーチング産業発展の力になった。しかし、ヒューマンポテンシャル運動の折衷主義が無批判な反知性主義に向かったことで、厳格な議論や実証ができない事態に陥り、反知性主義と科学への猜疑心から、科学的研究に基づく心理学者のコーチとそれ以外のコーチの間には緊張関係が生じた。『コーチング心理学ハンドブック』では、コーチングの心理学の研究とコーチング心理学という専門領域は別れて発展したとされている。
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