心理学(精神医学)との融合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:33 UTC 版)
「動物行動学」の記事における「心理学(精神医学)との融合」の解説
精神分析家であり児童精神医学者でもあるジョン・ボウルビィは、幼児と母親の関係において動物行動学的知見が有用であることに気づき、ニコ・ティンバーゲン、コンラッド・ローレンツ、ロバート・ハインドらと交流を深めた。WHOの精神保健コンサルタントでもあったボウルビィは、人間の『愛着(アタッチメント)』に注目し、子どもの心の発達には養育者との愛情ある母性的関わりが必要であることを『Maternal Care and Mental Health(1951)』において発表し、母性的養育の剥奪は子どもに精神的な問題や少年非行などの深刻な影響を与えることを報告した。それまでジークムント・フロイトによって説明されてきた欲動理論とは異なり、1969年から発表された『Attachment and loss』三部作において、乳幼児は世界を探索するための『安全基地(secure base)』を必要とし、乳幼児の不安の多くは養育者との安全な愛着がないために起こることを指摘した。これらの研究は精神分析家のルネ・スピッツや発達心理学者のメアリー・エインスワースらに影響を与え、後に『愛着理論』と呼ばれる発達理論を形成した。 心理学 - 動物行動学からの発展 及び 愛着理論 - 動物行動学(エソロジー)も参照。
※この「心理学(精神医学)との融合」の解説は、「動物行動学」の解説の一部です。
「心理学(精神医学)との融合」を含む「動物行動学」の記事については、「動物行動学」の概要を参照ください。
- 心理学との融合のページへのリンク